Thursday, April 23, 2026

フルコミは悪なのか (20260423)

2026/4/23の日経新聞電子版で、生命保険業界の不祥事に関する記事を読んだ。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB22B0X0S6A420C2000000/


(2026/4/23 日本経済新聞電子版より転載)


プルデンシャル生命保険に続き、

ソニー生命保険でも金銭詐取の疑い。


背景には、いわゆる「フルコミッション」に近い営業モデル。

成果がそのまま報酬に直結する仕組みだという。


記事の論調は比較的はっきりしている。


過度な成果主義が不正の温床になったのではないか。

ガバナンスが機能していなかったのではないか。


たしかに、それはそうなのだと思う。


ただ、この記事を読みながら、少し複雑な気持ちになった。


自分は過去に、プルデンシャル生命保険のトップ営業のK池さんにお世話になっている。

Oサキさんの大学時代の友人で、いわゆる“ライフプランナー”だった。

正直に言えば、非常に良い担当者だった。

こちらの状況を丁寧に聞き、無理な提案もなく、長期の視点で設計してくれた。


当時は円高だったこともあり、勧められて加入したドル建てのリタイヤメントインカムは、結果的にかなり大きく伸びた。


「いい買い物をしたな」と、いまでも思っている。


だからこそ、単純に「フルコミは悪い」と言い切れない。


成果報酬だからこそ、真剣に向き合ってくれる人もいる。

実際、自分が出会ったのはそういう人だった。


一方で、記事にあるような問題も現実に起きている。


契約が取れなければ収入が大きく落ち込む。

長期で顧客に寄り添うより、目先の契約を優先する動機が働く。


そのプレッシャーの中で、一線を越えてしまう人が出てくる。


つまり、この仕組みは


「良い営業を生む力」と

「不正を生むリスク」


その両方を内包しているのだと思う。


ふと思い出したのが、正直不動産だ。


あの作品でも、不動産営業の現場で、成果主義の光と影が描かれていた。


保険も、構造としてはよく似ているのかもしれない。


顧客と営業の距離が近いほど、信頼は生まれる。

でも同時に、その関係は“閉じたもの”にもなりやすい。


今回の問題の本質は、そこにある気がする。


制度を変えれば解決するのか。

フルコミッションをやめればいいのか。


たぶん、それだけでは足りない。


結局のところ、


「どんな仕組みでも、最後は人に依存する」


という当たり前の話に行き着いてしまう。


だから難しい。


良い担当者に出会えた経験があるからこそ、

仕組みそのものを否定する気にもなれない。


でも、その仕組みの中で不正が起きているのも事実。


昨日の記事を読みながら、

「正しさ」と「現実」の間で、少し考え込んでしまった。



No comments:

Post a Comment